確定申告Q&A 4

皆さんこんにちは。税理士の吉本です。
今日も確定申告Q&Aを書いていきたいと思います。
Q31.離婚時の財産分与で土地を取得していましたが、昨年その土地を売りました。譲渡所得になると思うのですが、取得費が分かりません。
A31.はい、その通り譲渡所得になります。財産分与で取得した土地の取得費は分与した時における時価になります。
取得した時期は相続や贈与によって取得した場合と違い、前所有者の取得日を引き継ぎません。したがって、所有期間が5年に満たない場合には短期譲渡所得となりますので約39%(所得税・住民税の合計)の税金がかかります。急いで売る必要がない場合には所有期間が5年を過ぎてから売った方が良いですね(約20%の税負担で済みます)。

Q32.土地を売りました。契約上、その土地上の建物を取り壊す必要があり、取壊し費用がかかりました。この費用は経費にしてもいいですか。
A32.はい。土地の売却に伴う建物の取壊し費用は譲渡費用となります。所得の計算上、差し引くことが出来ますので忘れずに入れて下さい。

Q33.
古くなった建物の一部が崩れて隣家を傷つけたため修理代などを負担しました。このたび、その建物を土地とともに売りました。隣家へ支払った修理費などは譲渡費用になりますか。
A33.いいえ、譲渡費用にはなりません。譲渡費用とは売るために直接かかった費用をいいます。修繕費や固定資産税などもその資産の維持管理にかかった費用ということで譲渡費用とはなりません。ご質問の隣家へ支払った修繕費等も同様と考えられます。たとえば、土地を売るために建物を取り壊し、その過程で隣家に傷をつけて修理代を支払ったという場合であればその修理代は譲渡費用と認められる可能性があるでしょう。

Q34.40年前に300万円で買った土地(未利用)を800万円で売りました。税金はかかりますか。
A34.
長期譲渡所得に該当するでしょう。お話をお聞きする限り、その土地は未利用ということもあり適用できる特別控除等もないようです。したがって、税金はかかります。所得税、住民税あわせて約20%となります。

Q35.Q34のご質問者様から追加の質問です。40年前に300万円で買った土地について、現在は800万円程度の価値があるから800万円で売れたんだ。800万円の価値があるものを800万円で売ったのだから少しも得していない。税金を払うのは納得できない。
A35.
譲渡所得の本質は、キャピタル・ゲインすなわち所有資産の価値の増加益とされています。本来であれば資産を毎年評価し、その増加益に対して課税することになります。しかし、この方法をとるのは実務的には不可能です。そのため、資産がその所有者の手を離れた時にまとめて課税することを目的として創設されたのが譲渡所得です。ご質問者様のおっしゃる理屈は分からなくはないです。ですが、それはあなたが40年前から毎年土地の評価益に対する税金を納めていれば、のことです。制度をご理解いただき、適正な納税をお願い致します。

Q36.Q34のご質問者様からもう一つ追加の質問です。税金がかかるのであれば少しでも減らすようにしたい。以前、その土地には建物が建っていて修理費やリフォーム費など随分お金をかけた。固定資産税なども払い続けてきた。これらの費用を差し引けば間違いなく赤字になっているはず。
A36.残念ですが、お売りになった時点で建物は既になかったとのことでしたので、当時の建物の取得費は今回の譲渡所得の計算上差し引くことはできません。土地を売るために建物を取り壊したのであれば話は別ですが、今回は違うようですので。修理費や固定資産税については仮に建物が現存していたとしても譲渡費用に入れることは出来ません。上のQ33参照。

Q37.医療費控除に置き薬の代金を入れてもいいですか。
A37.内容によります。風邪薬や頭痛薬など病状を回復させるために使うものは医療費控除の対象になります。しかし、栄養ドリンクやサプリメントなど対象外になるものもありますので注意してください。

Q38.
父が高度障害となり、生命保険契約に基づき高度障害保険金1,000万円を受け取りました。死後、保険金として受け取れば税金はかからなかったと聞きましたが、この場合は一時所得となるのでしょうか。ちなみにこれまで支払っている保険料は200万円程です。
A38.いいえ、疾病により重度障害の状態になったこと等により、生命保険契約又は損害保険契約に基づいて支払を受けるいわゆる高度障害保険金、高度障害給付金、入院費給付金等は、所得税が非課税とされています。
(参考)
(所得税法施行令第30条)非課税とされる保険金、損害賠償金等
所得税法第9条に規定する保険金及び損害賠償金等は、次に掲げるものその他これらに類するものとする。
一 損害保険契約に基づく保険金及び生命保険契約に基づく給付金で、
身体の傷害に基因して支払を受けるもの並びに心身に加えられた損害につき支払を受ける慰謝料その他の損害賠償金
(所得税法基本通達9-21)高度障害保険金等
疾病により重度障害の状態になったことなどにより、生命保険契約又は損害保険契約に基づき支払を受けるいわゆる高度障害保険金、高度障害給付金、入院費給付金等は、所得税法施行令第30条第1号に掲げる「身体の傷害に基因して支払を受けるもの」に該当するものとする。


Q39.賃借物件に内部造作をしていました。このたび、20年続いた事業を廃業するに伴い物件を居抜きで売却しました。譲渡所得で20%の税金がかかるのですか。
A39.まず前提条件から確認させて頂きます。所有ではなく、あくまでも賃借物件だったのですね。それならば、売却したものは建物ではなく内部造作等ですので、総合課税の譲渡所得になります。総合課税の場合、その他の所得(給与や事業など)と合算して税額計算をしていきます。したがって、単純に20%の税金がかかるという訳ではありません。
内部造作を建物付属設備という勘定科目で処理していたために分離課税になると考えられたようですが、分離課税の譲渡所得に該当するのは建物と一体として取引された建物付属設備に限ります。また、消耗品や棚卸資産をあわせて譲渡している場合には、それらは事業所得になりますのでご注意下さい。
(参考)

譲渡所得の金額 = 譲渡価額 - (取得費 + 譲渡費用)-50万円
※長期所有(5年以上)の場合には、上の金額の2分の1が総合課税の対象となります。

Q40.今年から消費税の課税事業者になりました。税込経理と税抜経理のどちらで計算すると消費税は安くなりますか。
A40.どちらで計算しても消費税額は変わりません。
今日は31~40でした。少しでもお役に立てば幸いです。
税理士 吉本泰一

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